一日散策 関西歴史紀行 【浄福寺通 Johukuji】

京都の通り1本を端から端まで 1日で歴史を味わう散策コース

PLAN06 浄福寺通 Johukuji

PLAN06 浄福寺通 Johukuji
PLAN06 浄福寺通 Johukuji
PLAN06 浄福寺通 Johukuji
PLAN06 浄福寺通 JohukujiPLAN06 浄福寺通 Johukuji

 浄福寺通は、京都を南北に走る通りで、北は船岡山の南、建勲神社の南参道からはじまり、東西を貫く蘆山寺通と寺之内通で鉤状に折れながら、通り名となった浄土宗浄福寺の門前を下り、二条城近くの竹屋町通にまで至る道です。

 南北に長い通りであり、今出川通以南は生活道路でもあるため、今回は中立売通を起点にして、北へ歩き出すコースをお届けします。この辺りは「西陣」と呼ばれる地域で、高級絹織物である「西陣織」発祥の地で、かつては機織りの音がいたるところから聴こえてきていましたが、現在は数少なくなっています。

 5世紀頃から京都では織物づくりが行なわれていて、平安時代には多くの織物職人が暮らしていました。「西陣」の地名は、応仁の乱(1467~77)の時、西軍の山名宗全がこの地域に陣を張ったことから名づけられたもので、騒然とした京の町から多くの職人が去っていきました。しかし、乱の終結後、ふたたび戻って来た織物職人たちによって西陣は再興したのです。

 この地域には、明治中後期から「西陣京極」と呼ばれる繁華街が生まれ、寄席や芝居小屋、大正時代になってからは西陣長久座、西陣キネマ、千中劇場などの映画館や劇場が並び、多くの織物職人たちの娯楽エリアとしてにぎわいました。現在は住宅や飲食店になっていますが、往時の繁栄を感じさせる微かな気配が今も残っているように思えます。

 そんな西陣、浄福寺通を、中立売通から上がって歩いてみましょう。

京都市バス「智恵光院中立売」

京都市バス「智恵光院中立売」

 浄福寺通を散策するに便利な市バスのバス停は「智恵光院中立売」で、京都駅を出発点にする50系統のバスに乗るのが便利です。阪急電車では、四条大宮駅で下車し、堀川通まで歩き、「四条堀川」のバス停からも、この50系統のバスに乗ることができます。「智恵光院中立売」のバス停から西に向かって歩きはじめ、2筋目、「餃子の王将・中立売店」の看板が見えたら、その手前の道を北へ曲ります。ここが浄福寺通です。

浄福寺

浄福寺

 一条通を少し上がったら、朱色に塗られた山門が見えてきます。浄福寺です。創建当初は天台宗の寺院で、延暦年中(782~802)賢憧大僧都により開創され、当時は二十五大寺の1つに数えられた格式・規模の大きな寺であったそうです。

 天明の大火(1788)の際、迫りくる火の手は浄福寺にまで及んできましたが、その時、鞍馬の天狗様が赤門の上に仁王立ちになり、巨大な団扇で火をあおいで消し止めたという伝説が残っています。人に悪さばかりするのが天狗様ではないようですね。

 浄福寺が建立されたことにより、「浄福寺通」の通り名が付けられたようです。

浄福寺

浄福寺

〒602-8453

京都市上京区浄福寺一条上笹屋2-601

075-441-0058

菓匠かま八老舗
菓匠かま八老舗菓匠かま八老舗

菓匠かま八老舗(ろうほ)

 文化3年(1806)創業の「かま八老舗」は、地元西陣の人たちばかりでなく、全国各地にファンを持つどら焼き「月心」が名物のお店です。元来、茶釜の販売業だったところ、分家独立して和菓子づくりをはじめたのが由来。「かま八」の名は、本家の茶釜と、浄瑠璃を嗜んでいた初代店主の名が「かま八」であったことから命名されたものだそうです。

 昔ながらの伝統の味に、現代風のエッセンスを加えた「月心」は、上質の粒あんがしっかりと詰まったお月様の形をしたどら焼きで、口に含むと香ばしい生姜の風味がひろがり、これまで食べて来たどら焼きとは一味もふた味も違う感覚に驚かされます。この生姜風味こそ、「かま八老舗」のどら焼きの大きな特徴です。ぜひご賞味の程を。また、「かむろ石」という、江戸時代中期の霊石伝説にちなんだ焼き菓子をはじめ、「蜂蜜・粒あん・鶯抹茶・黒豆」のカステラもあり、人気の商品となっています。散策途中に立ち寄って、どこか気持ちのいいベンチに腰掛けて頂きたいものです。

菓匠かま八老舗

〒602-8471
京都市上京区五辻通浄福寺西入一色町12
075‐441-1061
午前8時30分〜午後6時30分
不定休
http://www.kamahachiroho.com/
石畳の道

石畳の道

 上立売(かみだちうり)通を越えると、浄福寺通は石畳の道へと変貌します。アスファルトの道路が消え、風情のある石畳の道が続いています。また、電線が埋設され、空が広いですね。

 この界隈、大黒町といい、この町の「まちづくり協議会」が伝統と文化の薫り豊かな西陣の町を整備しようと、平成元年におこなったもの。京都には石畳の道が各所にありますが、浄福寺通の石畳の道は、西陣織の職人たちが歩き、美しい西陣織を作り出した場所ならではの文化の深みが感じられます。

 朝の光に照らし出されたり、たそがれ色に染まったり、時には雨に濡れた石畳もそれぞれ風情があります。春夏秋冬、どの季節に訪れてもいいものですね。

石畳の道
岩上神社

岩上(いわがみ)神社

 この石畳の道のすぐ脇に、「岩上神社」という小さな祠を持つ社があります。

 二条堀川付近にあったという「霊石」が、六角通に移され、さらに中和門院(後陽成天皇の女御の一人で後水尾天皇の母)のお屋敷の池畔に移されると、この「霊石」が吼えだしたり、すすり泣いたりという怪奇な現象が起こったそうです。さらに、石が子供に化けたりしたことから「禿童石(かむろいし)」とも呼ばれました。さきほどの「菓匠かま八老舗」で販売されていた和菓子の名前が「かむろ石」で、この岩上神社の伝説を踏まえて作られています。

岩上神社

 そうした怪奇な現象に対し、女官たちが蓮乗院(れんじょういん)なる真言僧を招いたところ、蓮乗院はその石をもらい受け、現在の地に祀りました。「有乳山(うにゅうざん)岩上寺」と命名し、以来、授乳や子育ての信仰を集めたとか。明治維新で廃寺となったものの大正時代になり、神社として再興し、「岩上神社」として近在の人々に大切に護られています。「霊石」だけは、今も残っていますので、お詣りしていきたいですね。

岩上神社

〒602-8482
京都市上京区大黒町(浄福寺通)689
無料
手織ミュージアム 織成舘
手織ミュージアム 織成舘
手織ミュージアム 織成舘

手織ミュージアム 織成舘(おりなすかん)

 平成元年(1989)にオープンした「織成舘」は、「西陣織屋建」を活かしたミュージアム。

 建物は昭和11年(1936)に西陣の帯地製造業「渡文」の初代当主・渡邉文七氏の「店兼住まい」として建てられたものです。水屋(炊事場/おくどさん=竈(かまど)など)を取り除き、1階と2階の一部も改装しましたが、梁や柱、狭い間口に奥行きの長い棟、明かり取りの天窓など、西陣の伝統的な家屋「織屋建(おりやだち)の特長をそのまま残しています。

 ここでは全国の手織物、復原能装束、時代衣装の鑑賞から工場見学、作品展示まで手織のすべてが体験できます。これまで知らなかった西陣織の奥の深さをここで体験してみたいものですね。

◇手織体験工房~小型つづれ機で平織にに挑戦します。初心者の方でも丁寧に指導いたします。(所要時間=約3時間、3名以上。事前にご予約下さい)〔参加料〕5,000円
◇工場見学~西陣独特の手織機が響く手織の技を、実際に仕事をしている職場を見学することができます。

手織ミュージアム 織成舘

〒602-8482
京都市上京区浄福寺通上立売上る大黒町693
075-431-0020
火曜日~日曜日 午前10時〜午後4時
月曜日(祝日の場合は開館します)年末年始(お問合せください)

大人500円/高校生400円
団体割引(10名様以上)大人400円/高校生以下300円

http://orinasukan.com/
ちりめん山椒・ととや

ちりめん山椒「ととや」で京名物をお土産に……

 京都の名物・土産物として「ちりめん山椒」が有名になったのは、一説によれば今から50年余前に、上七軒の料理人が、ちりめんじゃこと実山椒を一緒に炊いたことが始まりだといわれています。今では京都市内で何軒もの店が「ちりめん山椒」を製造販売していて、京都土産として人気を誇っています。

 ちりめんじゃこと実山椒を、酒、醤油、味醂で味付けしたもので、ここ「ととや」のものは、宮崎県産の最高級のちりめんじゃこを使い、青々とした実山椒と、三年醤油で炊き込んだもの。お話好きの女将さんと会話を愉しみながら、「ちりめん山椒」を買い求めたいものです。

ちりめん山椒・ととや

ちりめん山椒・ととや

〒602-8493

京都市上京区寺之内通浄福寺角

075-414-2113
午前9時〜午後6時
年中無休
源光庵(げんこうあん)

帰り道は千本通から……

 「ととや」さんを出て、西の方向に向かって歩きましょう。クルマの往来がはげしい大道・千本通まで来ると、目の前に「千本ゑんま堂」の建物が見えます。正式な名を「引接寺(いんじょうじ)」といい、高野山真言宗の寺院です。その名の通り、地獄の裁判官である閻魔様の像が祀られ、子どもたちへの教戒の寺として人気を集めています。ご挨拶がてらお詣りしたいですね。

バス停

市バス「乾隆校前」から帰路へ……

 京都市バス「乾隆校前」のバス停からは、46系統、59系統のバスに乗れば阪急電車、京阪電車いずれの駅にも接続しています。また、206系統のバスはJR京都駅に行きます。

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